パリに来て、5日目。
今回の滞在は友人に紹介してくださった日本人女性森さんとパリジャンのご夫妻の住まいにお邪魔しています。
タバコの銘柄「camel」のパッケージデザインなどを手がけていたミッシェルさんは、昔ロスにてイームズ率いるデザイン集団にいたほど著名なグラフィックデザイナー。
だったのだけれど、ずっと絵がやりたかったそうで今は会社を引き渡しアーティストとして活動。
森さんは日本では建築家だったけれど、パリでは様々なコーディネートをしている。
なるほど、お家がスーパーオシャレなわけだ!
誰もが憧れる世界的デザイナーのキャリアをあっさり捨てたミシェル氏。
森さんは、「ミシェルは運がいいのよ」と言っていたけれど
人生にとって運がいい以上に必要なことってあるのだろうか。
そんなパートナーと素敵に暮らしている森さんも素敵。
「フランスでは、専業主婦って白い目で見られちゃうのよ。このアパートでも奥さんが主に働いてご主人が家事育児をって家庭も2組いるわ」
「パリでは、リタイアが明確に決められるけれど、ミシェルは国が認めた人の入れるデザイナー登録しているからまた社会保障の形態が違うの」
なんてお話を聞かせていただいたり
「あなたみたいな職種だとどうやって仕事を手にするの?」
なんて、ビジネスのお話までできてとっても楽しかったな。
これぞ旅の醍醐味。
バイイングやコーディネートのお話も新しい視点から日本・ビジネスを考えられたのでまた後日書きます。
そして、恋する街だなーと痛感したのがいくつになってもみんな自分らしさ・オシェレ心を忘れないというか。
魅力的だし、恋に貪欲っぽい雰囲気からヒシヒシと感じる。
セレクトショップメルシーのカフェで素敵なパリジャンに声をかけられまして。
席が空いてないから、相席希望だと思ったのだが様子が違ったよう…世間話に付き合っていたのだけれど、しきりにドライブに誘われ…
だって、その人70歳超えてるんですよ。
もう、すごい。パワフル。笑
そして、私は興味ないのということを遠まわしに伝えたら
「YES? NO?」
としきりに聞かれたの。
いや、行かねーって言ってんじゃん。
と思ったけれどこれ昔英会話の先生にもよく注意された。
興味のないことにははっきりとNO、と言うべきなのだろう。
遠まわしな表現でなくはっきりと言う。
忖度とかないから。フランスには。
あと、愛想笑顔もわかりにくいようです。
そして「I’m sorry.」と言って断ると、謝る必要はないと何度も言わました。
誘うのは相手の自由で、断るのもこちらの自由。
どちらも選択の自由と権利を持っていて、いちいち傷ついたり謝ったりする必要がないってこと。
スマイル0円と思って基本的には愛想はよくしていたけれど実は0円じゃないかもしれない。
見えない心の負担になってるかもな、なんて感じたり。
フランス人はすごくリアリスト。
ビジネスするの大変そうだな。
そんな私も、ボンマルシェやプランタン、いろんなところに行ったけれど全然物欲が湧かなくなった。
物を買わない日本人観光客と、ハイブランドの紙袋を提げて歩く中国人、タイ人…
インバウンド・アウトバウンドのことももう一回ちゃんと勉強しなくては。
文化にビジネスに、いろんな角度でお国柄を感じる晩秋のパリでした。
アムステルダム行きの車窓があまりにも美しくてポエトリーになりそうなのでこの辺で。
続く