デザイナーズホテルクラスカ【CLASKA】最後の夏休み

夏休みが終わりましたね。
私の周りは全く休んでいない人と9連休とずいぶん差があるようでした。

東京から出られないのでどうしようかと思ってぼやぼやしてたら夏休みは終わっていました。

もう、9ヶ月も日本を出ていないなんて何年ぶりでしょうか…

仕事や制限が出ていない時期はもちろん東京を離れたこともありますが、ただ旅をする、ということや自由にリサーチ・フィールドワークができないということは中長期的に見てかなりの損失があるのでは…と思います。

誰へお損失かと言うと、私個人であり、私の会社であると=税金納めている区であり、都であり日本の損失ですが…

閉じこもっていても全然変わらずプロジェクトは進むのですが、リモートワーク歴五年でも参っていると言うことは初めての在宅ワークは相当慣れるのが厳しいのではないかと思っています。

どうにか、なんとか切り替えたいなと思い都内での混雑のないホテル滞在にしました。

いくつか調べていたら、だいぶ近所なので盲点だったクラスカに辿り着きました。
今年の年末でクローズ…と言う衝撃とともに。

Hotel CLASKA は、目黒通りでかつて人々に親しまれたホテルニューメグロをリノベーションし、デザインホテルの先駆けとして2003年に開業しました。約18年間、ホテルをはじめレストラン・レンタルスタジオ・ギャラリー&ショップからなる複合施設として、多くのご愛顧をいただき誠にありがとうございました。

株式会社クラスカは Hotel CLASKA の運営を担い、古き良き面影とモダンが共存する館内を拠点に、ものづくり・サービス・イベントなど様々な活動を通じて “今” の日本における暮らしの美意識とカルチャーを発信して参りました。

しかしながら竣工から51年経過した建物は老朽化が進みつつあり、今後リノベーションホテルとしての個性を保ちながら将来にわたって永続的に保守整備・改修を行うことが困難であること、また地権者との定期建物賃貸借契約のタイミングも鑑み、大変残念ではありますがこのたび閉館を決定した次第です。

私がホテルクラスカの存在を知ったのは大学生の頃。
学生の時なんて頑張っても都内のホテルなんて贅沢できなかったから、なんだか時代の流れを感じるな、とともにスタッフのかたの対応が素晴らしくて感動しました。

「この空気が大好きで働いているので、ここ以外でどこで働いたらいいのかなんて思ってしまう」とのこと。愛ですね…仕事や働く場、仲間への愛をこんな風に感じたのは久しぶりで感動してしまいました。

ここは好きなこととプロフェッショナルな仕事、両方がバランス良く実現できる場所だったのではと思いました。

また、商品作り、ブランド作りでも感じることがありました。

便利を求めすぎる心を持たない。
出来ないことを出来ると言わない。
続けていくことに重きを置く。

ということを大切にしていきたいな、と思っているのですが…

それは好きな事というか、生きている事と仕事がほぼ同義だからこそ個人的に気をつけている事です。

便利を求め【すぎる】心はユーザとしても、オーナーとしても大切にしたいことです。五つ星ホテルでもないコンビニに関しても完璧な対応を求めたり、金額を抑えて対応してくれている人に即レスを求めることをしないし、求める人は自分の顧客ではないと線を引くこと。

ギリギリの価格で対応していると、物を生産する場合は原価が金銭的にも精神的にも圧になるのでいざと言う時に対応出来ないことも出てきます。

上記の2点をすると、続かなくなる。
というより、続けたくなくなる。

クラスカのアメニティはおなじみのマークスアンドウェブ。

シャンプー、コンディショナー、ボディーソープはミニボトルに入っていますがここに【中蓋】がついてないのです。コンディショナーはとろみがあるけどシャンプーだとうっかりドバッと出てしまうんです。
ここに勢いよく出ないためのボトルの【中蓋】をつける方法もあるんです。マークスアンドウェブだともちろんそういうのもつけられるに決まってるんですが…
3つのボトルに中蓋を付けることで、地味に、けれど確実にコストが上がります。2〜3日しか使わないボトルのためにかける使うべきかけられる原価=お金と、地球の資源を無駄にしてまで一瞬の便利さを優先する必要はない。

という判断があったのではと思います。
勝手に思ってるだけですが、素敵だと思います。

なので、わたしも常々過剰パッケージにならないように。でも心躍る瞬間を作れるデザインを…と考えています。

言うは易し、やるもそれなり。継続が何より大変なのですが…